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Reproducibility Study

10,000回の結果はseedを変えても安定するか

同じ入力でも、疑似乱数のseedが違えば生成される運用経路は変わります。10種類のseedを使い、試行回数を10回から10,000回まで増やしたとき、10%点・中央値・90%点がどのように安定するかを実測しました。

公開日:2026年11月2日比較:10seed × 4試行回数読了目安:8分

Overview

試行回数を増やすと、seedごとの線は次第に近づいた

同じ積立条件でも、試行回数が少ない段階ではseedによって集計値が大きく異なります。今回の実測では、10回から10,000回へ試行を増やすにつれて、10%点・中央値・90%点のいずれもseed間の幅が小さくなりました。

Method

比較条件と読み方

積立条件は固定し、10個のseedそれぞれで10・100・1,000・10,000回を計算しました。合計40組の結果から、3つの代表値を比較します。

資産と積立
100万円・月3万円
期間
35年間・月末積立
運用仮定
年利5%・変動15%
モデル
正規分布・対数収益率
seed:
疑似乱数の再現用の値です。同じ条件とseedなら同じ運用経路群を再現できます。
試行回数:
35年間の運用経路を何本生成するかという数です。各経路の最終資産額から代表値を求めます。
3つの代表値:
10%点は結果の約10%が下回る位置、50%点(中央値)は中央、90%点は約90%が下回る位置です。同じseedの代表値を線で結び、seed間の幅を比べます。
比較の手順・同じseedで経路を追加する仕組みを見る
  1. STEP 1

    10個のseedを用意

    同じ積立条件に対して、異なる10組の運用経路群を生成します。

  2. STEP 2

    試行回数を4段階に増やす

    同じseedについて、10本、100本、1,000本、10,000本の順に運用経路を増やします。

  3. STEP 3

    3つの代表値を追う

    各段階で10%点・中央値・90%点を求め、同じseedの値を線で結びます。

  4. STEP 4

    seed間の幅を比べる

    各段階で「10seedの最大値-最小値」を計算し、試行回数とともに幅がどう変わるかを確認します。

同じseedの経路群

10本  ⊂  100本  ⊂  1,000本  ⊂  10,000本

同じseedでは、10回版の経路は100回版の先頭10本と共通で、100回版は1,000回版の先頭100本と共通です。10,000回版まで同じ関係が続くため、既存の経路群に新しい経路を追加したとき、代表値がどう安定していくかを比較できます。

Seed Convergence

同じ色の線を追うと、代表値が近づく過程が見える

色はseedを表し、破線は同じseedの値を結んでいます。横軸は10倍ずつ増える4段階の試行回数、縦軸は最終資産額です。

Range Comparison

seed間の幅は4段階で小さくなった

各試行回数で、10seedの最大値から最小値を引いた金額です。グラフの線の広がりを数値で確認できます。掲載額は1万円単位へ四捨五入しています。

試行回数別のseed間の結果範囲
試行回数10%点の幅50%点(中央値)の幅90%点の幅
10回1,067万円1,688万円5,676万円
100回613万円642万円2,283万円
1,000回139万円218万円741万円
10,000回41万円127万円193万円

Conclusion

試行回数を増やすほど、seedによる代表値の差は小さくなった

10回から10,000回へ試行を増やすと、10seedの最大値と最小値の差は、10%点で約1,067万円から約41万円、中央値で約1,688万円から約127万円、90%点で約5,676万円から約193万円へ縮まりました。今回のデータでは、3つの代表値すべてで10回、100回、1,000回、10,000回の順に幅が小さくなっています。

ただし、同じseedの線が常に一定方向へ動くわけではありません。経路を追加するたびに代表値は上下しながら変化し、その一方で10本の線全体は次第に狭い範囲へ集まっています。ここで確認できる安定性とは、個々の運用軌道が似ることではなく、多数の軌道から求める集計値がseedの影響を受けにくくなることです。

試行回数を10,000回へ増やすと、これらの代表値はseedの影響を受けにくくなりました。ただし完全に同じ金額にはならず、中央値はseedによって約3,014万円から約3,141万円まで変わりました。したがって「3,055万円」のような一つの表示額を精密な将来予測と捉えるのではなく、「およそ3,000万円台前半」という規模感として読むのが適切です。

下の3項目は10,000回版のseed間の幅です。「平均比」は、各代表値の最大値と最小値の差を、その代表値の10seed平均で割った割合です。

10%点の幅

約41万円

平均比 2.80%

中央値の幅

約127万円

平均比 4.12%

90%点の幅

約193万円

平均比 2.72%

Interpretation

結果から言えること、言えないこと

試行回数の効果を段階的に確認できた

10%点・中央値・90%点のすべてで、10seedの最大・最小差は10回、100回、1,000回、10,000回の順に小さくなりました。

結果の規模感は共通している

10,000回の中央値は、どのseedでも約3,014~3,141万円でした。seedが変わっても「3,000万円台前半」という全体像は共通しています。

細かな金額差は読みすぎない

一方で、1万回でも中央値に約127万円の幅があります。数万円単位の差を精密な予測として扱わず、条件比較と結果の大きな幅を見る用途が適切です。

Try It

同じ条件を自分で再現する

初期資産100万円、月3万円、35年、年利5%、ボラティリティ15%を入力し、グラフに示したseedを切り替えて比較できます。