Contribution Break Study
5年間の積立中断は、
その後の増額でどこまで取り戻せるか
30年間の総元本を同額にそろえ、月3万円を続けるケース、5年間だけ半額にするケース、5年間停止するケースを比較しました。固定seedによる10,000回の実計算から、積み立てる時期の違いを確認します。
Conclusion
結論:総元本を合わせても、後からの増額では運用期間の差が残った
3ケースの総元本はすべて1,180万円です。それでも中央値は、月3万円を継続したケースが約2,405万円、5年間半額にしたケースが約2,323万円、5年間停止したケースが約2,247万円でした。中断後に不足分を積み立てても、資金が運用される時間までは取り戻せないためです。
継続
約2,405万円
中央値(50%点)
半額継続
約2,323万円
継続より約81万円低い
積立停止
約2,247万円
継続より約157万円低い
Question
比較したいのは積立総額ではなく、積み立てる時期
単純に積立を止めると総元本が少なくなるため、最終資産額が低いのは当然です。そこで今回は、中断期間中の不足額を11年目以降に均等に上乗せし、30年後の総元本を同じにしました。
| ケース | 1~5年目 | 6~10年目 | 11~30年目 | 30年間の積立総額 |
|---|---|---|---|---|
| 30年間、月3万円を継続 | 月3万円 | 月3万円 | 月3万円 | 1,080万円 |
| 5年間半額にし、その後増額 | 月3万円 | 月1万5,000円 | 月3万3,750円 | 1,080万円 |
| 5年間停止し、その後増額 | 月3万円 | 0円 | 月3万7,500円 | 1,080万円 |
すべて開始時に100万円を保有するため、初期資産を含む最終的な投資元本は1,180万円です。
Method
比較条件と再現方法
積立スケジュール以外の条件を固定し、各試行で同じ価格変動が使われるよう、3ケースに同じseedを指定しました。
- 開始時の資産
- 100万円
- 運用期間
- 30年
- 想定年利
- 5%
- 年率ボラティリティ
- 15%
- 価格更新モデル
- 対数収益率モデル
- ノイズ分布
- 正規分布
- 積立タイミング
- 月末
- 試行回数
- 10,000回
固定seed:contribution-break-2026
掲載金額はシミュレータの結果を1万円単位へ四捨五入しています。結果の選別、補正、並べ替えは行っていません。計算仕様は計算方法と前提で公開しています。
Results
実際のシミュレーション結果
「価格変動なし」は年利5%が一定に続く基準ケースです。10%点は10,000回の結果の約10%が下回る位置、中央値(50%点)は結果の中央、90%点は約90%が下回る位置です。
| ケース | 投資元本 | 価格変動なし | 10%点 | 中央値 | 90%点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 継続 | 1,180万円 | 約2,878万円 | 約1,207万円 | 約2,405万円 | 約5,260万円 |
| 半額継続 | 1,180万円 | 約2,761万円 | 約1,198万円 | 約2,323万円 | 約4,964万円 |
| 積立停止 | 1,180万円 | 約2,643万円 | 約1,190万円 | 約2,247万円 | 約4,655万円 |
After 10 Years
中断終了時点ですでに差がある
価格変動なしの10年時点では、継続約626万円、半額継続約524万円、積立停止約423万円です。11年目から増額しても、この時点の残高差を引き継いで運用します。
Median Gap
中央値の差は約81万円と約157万円
半額にしたケースは継続より約81万円、停止したケースは約157万円低い結果です。総元本ではなく、運用に参加している時間が差を生みました。
Wide Outcomes
上振れ側ほど金額差が広がった
継続と停止の差は10%点で約17万円、中央値で約157万円、90%点で約605万円でした。早く積んだ資金が高い成長経路に長く参加すると、上振れ側で差が拡大します。
Interpretation
「後で同額を積めば同じ」にはならない
継続ケースでは、6~10年目に積み立てた資金も残り20年以上運用されます。半額・停止ケースでは、その不足分を11年目以降に積み立てるため、同じ元本でも複利が働く期間が短くなります。
一方、10%点の差は小さくなりました。早く投資した資金は上昇へ参加する時間が長いだけでなく、下落の影響を受ける時間も長いためです。この結果は「早く積めば必ず高くなる」という保証ではなく、今回のモデルと10,000本の経路を集計した結果です。
現実に積立が難しくなった場合、家計を圧迫してまで継続すべきという意味でもありません。本記事が示すのは、中断後の増額を考えるときに、総積立額だけでなく投資時期も確認する必要があるという点です。
Reproduce
自分で同じ比較を再現する
シミュレータで期間別の積立額を設定し、各ケースに同じseedを入力すると掲載結果を再現できます。
- 1
共通条件を入力
初期資産100万円、期間30年、年利5%、ボラティリティ15%、正規分布、対数収益率モデル、月末積立を選びます。
- 2
積立期間を設定
表のとおり、継続・半額継続・積立停止の期間別月額を一つずつ入力します。
- 3
同じseedで実行
試行回数10,000、seed「contribution-break-2026」で実行し、10%点・中央値・90%点を記録します。
この検証に含まれないもの
家計と制度の個別事情
収入、生活防衛資金、税金、手数料、NISAなどの制度、積立を中断する理由は考慮していません。
インフレと購買力
表示額は将来の名目金額です。30年後に同じ金額で何を購入できるかは計算していません。
市場の連続的な局面
各月の変動は独立に生成し、暴落後に変動が続く局面や自己相関は直接モデル化していません。
将来の予測と投資助言
想定年利5%とボラティリティ15%は比較用の仮定です。特定の商品や積立方法を推奨するものではありません。
本記事はシミュレータの使い方と条件差を説明する参考情報であり、将来の運用成果を保証するものではありません。詳細は免責事項をご確認ください。